相続の配偶者居住権の登記(2)遺贈による設定登記
- 相続手続き(遺産分割・預貯金・不動産)
- 2021/12/7
- 2022/3/30
前回のブログも、よかったらご覧ください。→ 配偶者居住権の登記(1)
配偶者居住権は、遺贈によっても設定することができます (民法1028条1項)
その場合には、遺言書へは「相続」ではなく「遺贈」と記載することになります。 「遺贈」となっているのは、 「配偶者が配偶者居住権の取得を望まない場合、 相続放棄することなく遺贈の放棄によって配偶者居住権の取得を 拒むことができるようにするため」 という理由があります。 なお、配偶者居住権は建物のみに登記手続きを行いますが、 その効力は敷地利用権に及びます。 また、存続期間を定めなければ、存続期間は終身となりますが、 10年、20年と定めることもできます。 遺言執行者を定めた場合には遺言執行者が登記を申請し、 定めない場合は、義務者との共同申請になります。
相続の配偶者居住権の登記申請書
目 的 配偶者居住権設定
原 因 年月日遺贈 存続期間 配偶者居住権者の死亡時まで(※1)
特 約 第三者に居住建物の使用又は収益をさせることができる。(※2)
配偶者居住権者 配偶者
設定者 不動産の名義人
添付情報 登記識別情報 登記原因証明情報(※3) 印鑑証明書(※4)
課税価格 金1,000万円
登録免許税 金2万円(※5)
相続の配偶者居住権登記の注意事項
※1 存続期間は、絶対的記載事項。
存続期間の定めがない場合は、「配偶者居住権者の死亡時まで」と記載し、 定めがある場合には「年月日から何年又は配偶者居住権者の死亡時までのうち、 いずれか短い期間」と記載する。
※2 第三者に居住建物の使用又は収益をさせることを許す旨の定めがある場合に記載する。 この場合には建物の所有者の承諾書が必要となる。
※3 遺言執行者の報告的登記原因証明情報または遺言書。 遺言者の死亡の記載のある戸籍等。
※4 遺言執行者の定めがある場合には遺言執行者のもの
※5 税率は2/1000
(担当:平石)